平和へのメッセージ『詩画集・第二楽章』を見に行ってきました。

大曲交流センターで7月15日から始まった企画展、『第二楽章・男鹿和雄展ー吉永小百合と語り継ぐー』を見てきました。

男鹿和雄氏は大仙市太田町に生まれ、スタジオジブリの映画「となりのトトロ」等のアニメの背景画家で有名な方です。

数年前に角館平福記念美術館であった作品展をみて以来。

水彩絵の具の小品ばかりだけれど、優しく繊細なタッチで魅了されました。やっぱりスゴイなぁ~。

 

女優の吉永小百合さんが32年も前から始めた平和を願う朗読ボランティア活動に、男鹿さんの挿絵が採用されています。

原爆投下された「広島」「長崎」そして「沖縄」の被災された方たちの、嘆きや悲しみの詩、怒り、生きようとする希望の詩などに、男鹿さんの水彩画はやさしく寄り添うように静かに語りかける。

 

入口を入ると、東日本大震災で起こった東電福島第一原子力発電所事故を物語る「ふくしま」の冨岡町の風景を切り取った作品が並んでいる。

12番目の絵には、誰もいない田んぼに点在する除染収集された黒い袋が・・・。

何の罪もない人々のささやかな生活が原発のせいで奪われた現実。

美しい、と一言で済まされない。

戦争、原子爆弾、原子力発電、そんなものはもういらない!と声を大にして言いたいと思った。

 

男鹿さんの絵がさわやかな風景を描いているからこそ、心に沁みました。

男鹿さんの絵には、いつも風が吹いている。

画面いっぱいに絵の具を乗せないから余白が美しい空気で満たされている様です。

 

ヒロシマの人が書いた詩を読んでいるうち、隣でみていた老女が「なんだか、泣けてきた~」とハンカチで涙をぬぐっていました。もらい泣きしそうになった。

8月20日までやっていますので、500円玉を握りしめて行ってみてください。

昔なつかしい秋田の遊びを描いた別室もありました。(こま)