割物は潔く、創造花火は音楽とともに。

今年二度目の水害に見舞われた大仙市大曲にある雄物川河川運動公園。『第91回全国花火競技大会』(大曲の花火)は、断続的に昼夜降った雨の影響で、さすがに「今回は無理か」と思われていたのに、大会関係者の夜を徹しての作業で開催できた。災害復興の花火もあり、創造花火の創始者といわれる佐藤勲賞も新たに設けられたとのこと。

 

ここ数年は会場に行かず、自宅から歩いて100m程の某所にて花火観覧をしているけれど、

会場までの距離は4kmちょっとあるのに、今年の花火は風の方向、強さともに申し分なく、10秒弱で音が届いた。

 

大曲の花火は、ご存知のとおり競技会。単なる花火大会ではない。

夜花火は、10号割物二発と創造花火のセットで花火師の腕前が競われる。

割物は、【10号芯入り割物】・【10号自由玉】、おべだ振り(しったかぶり)するなら、放射状に開く“菊”や“牡丹”を基本とする花火で八重芯、三重芯と続き、現在の最高レベルは四重芯なのです。

いさぎよく(潔く)パッと開いてパッと一斉に消える。これが良いのです!

春咲く桜みたいに散り際がいいのが日本人の粋というのでしょうか。

 

創造花火は、丸である必要はなく、従来の"柳”から“冠菊(かむろぎく)などを自由な発想でつくり上げる、まさに創造の花火。

形も色も全てが自由。音楽と花火のシンクロもあり、花火師のセンスが問われるイマジネーションの世界だ。

それに、毎回楽しみな『大会提供花火』。今回テーマは“光雲流水”だった。

 

花火も人も一つとして同じものは無い。ただの一度も同じ時間はないのです。

8月もあと4日。

できることなら悲しい事、不幸な出来事も二度と起こらないで欲しいと、秋の夜空に一人祈った。(こま)