吾等がカーロ・ミオ・ベンは、健在でした。

昨日は、智クルーズのいないステージを見に(聞きに)湯沢へ行き、今日は今日とて、地もと大曲市民会館へと混声合唱を聞きに一人で行ってみた。

アナウンス紹介にもあったが、総勢45名の大所帯は県内一番だという。

 

始まる前に、プログラムを眺めていたらテノールに○○!という名前が目に入った。

もしかして、あの高校時代の恩師と同姓同名?本人?

団員が入場し、暗転が解かれて第1部が始まった。

すかさず、○○先生を探した。

曲が始まった途端に楽譜に張り付くように下を向く方がいた。

いた。

まぎれもなく○○先生だった。

その時から、曲想や演奏スタイルなどに想いは遥か及ばず、もう、先生の事だけが気になって仕方なかったのである。

 

忘れもしない高校一年の音楽の授業で、当時わたしは吹奏楽部にいたために、音楽科は顧問の先生が担当で、その○○先生は、カンツォーネ大好きで、暗譜の歌唱テストがあった。

それは表題にも書いた「カーロミオ・ベン」だった。

多分、贔屓にされたのだと思うが、最優秀歌唱賞に輝き、クラスメイトの真ん前で歌うハメになった。恥ずかしかったが、とても気持ちが良かったことを今でも覚えている。

あの先生が今、ステージの上で読書をしている。

御歳85歳だという、奥様もソプラノで歌っていらっしゃいました。

ここにも、音楽に人生を捧げた(或いは、支えられた)人がいる。

 

団員募集中、と声高に宣伝していましたので、演奏会終了後「先生、○○です。今も歌っています」なんて言おうものなら「こっちゃ入れ」と言われそうだったので声をかけるのをヤメた。

もう、これを逃せば一生お会い出来ない様な勿体ない様な気もしたが、まずまず達者でいてくれただけで十分ではないかと自分に言い聞かせ、帰路についた。

どうか末永く楽しく生きてください。

カーロミオベン、クレーディミアルベン、センツァディテー、ラーアングイッシェルコール!またいつか何処かで。

ありがとうございました。(こま)